第116章 彼の胸に倒れ込んだ

中島美奈は飢えたみたいに、身体ごと横尾孝人へ貼りついた。

――なのに。

横尾孝人は、まるで反応しない。

訝しげに目を上げて確かめると、男は目を閉じたままソファの背にもたれ……そのまま寝落ちしていた。

中島美奈は信じられず、思わず気が遠くなりそうになる。

こんな絶好の機会に、酔いつぶれて寝るとか……あり得る?

一気に熱が冷めた。残ったのは苛立ちだけで、隣の男を世話する気分など欠片もない。

結局、彼女は下山さんを呼びつけた。

「下山さん。横尾さん、お願い」

下山さんは、彼女が放り投げる気満々なのを見ても何も言わず、ただ声を張る。

「雪菜、手伝って」

「はい」

メイドがすぐ...

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